コドモ

何年か前、転職するツナギにベビーシッターのバイトをしたことがある。ずっとやってみたかったのだ。
派遣されたのは小金井にある一軒家。そりゃベビーシッター呼ぶくらいだからそれなりに金持ちだ。あるときはそこの母親が松山千春だかのコンサートに行くから午後イチから夜中までっていうスケジュール。コドモは3年生くらいの長女・小学校入る直前の次女・2歳くらいの長男。すげーーおもしろかった。

  • コドモたちは母親のことを「おかあさま」と呼んでいた。
  • Sonic Youthの洗濯機Tシャツを着ていったらボールペンでその洗濯機部分に落書きされた。
  • まだオムツの長男、廊下にたってじっとしてるとおもったらどうやら脱糞中。
  • 小学校のお受験を控えた次女から「よろしかったらどうぞ」とジュースを出されてたまげた。まだ6歳とかなのにだ。しつけされまくり。
  • 夜ご飯にみんなでカレーを食べ、私が「ウマーイ」と言ったらその次女に「ウマイなんて言っちゃだめ、おいしいって言わなきゃ」と注意された。

しかし私があんな年のころなんて「ウンコ!」って叫んだりひとんちの庭から花むしったりドリフ観ながら踊ったり兄ちゃんと流血のケンカをしたりそりゃもうバカな子だったが、東京の金持ちのコドモはどうやら違うらしい。そういやプレステとかもなかったし、「学研の学習かるた」みたいなやつで遊んだきがする。小学校を受験して入るくらいだもんなぁ。しかしあんな育ちかたしたらロクな大人になれないぞ。“まことちゃん”とか“がきデカ”とか持ってって読ませればよかった。
 
コドモのころで思い出した。私が小学生のころ社会の時間に“稲刈り体験”みたいな実習があり、農家のひとのところへ行って稲刈りをやらせてもらったことがある。最初にそこのおじさんから説明を聞くわけだがそのなかでおじさんは「ですから、」というべきところを「だすから、」と言ってしまい、そのまま流して説明は続いたがこれをバカなコドモが逃すはずもなくその時から影ではそのおじさんの名前は「だすからおじさん」に決定。だすからおじさんは結構厳しいひとで、はしゃいで稲穂で遊ぶコドモたちをちゃんと叱っていた。コメをだいじにしろと。今考えるとすごくいいおじさんだがコドモにはそんなことがわからず、だすからおじさんの評判は下がる一方なのだった。
後日友達と遊んだときに「だすからおじさんに復讐だ」とかいって自転車で田んぼへ行ってこっそり覗くもそこにはおらず、悩んだあげくにしたことがレーズンアタック。なにをしたかというと友達のひとりが家から持ち出してきたレーズンの大袋からそれぞれがつかみ、田んぼに向けてみんなで投げるという意味不明な攻撃。「きっと来年田植えしようとしたらぶどうの木があってできないんだぜ」とかスーパーバカな想像をしてそのいたずらに満足していた。あとザリガニを自転車のカゴに入れたり、だすからー!と叫びまくったり一通りしたあと帰ったが、その後知った事実に震えた。私の兄ちゃんの友達の家だったのだ。だすからおじさんは兄ちゃんの友達のおとうさん!やばい絶対ばれる、私のこと知ってるに違いないといつ怒られるかヒヤヒヤしたが大丈夫だった。
 
さっき友達からのメールでさくら水産の激安っぷりを知った。さくら水産って見たことはあったが入ったことはない。こんなに安かったとは。今度行ってみよう、おいしいのかな。http://www.teraken.co.jp/menu/grand.html