129日目

私は物忘れが激しい。それはときに、ひとに迷惑をかける。
むかしむかし、その時つきあってた彼氏とグアム旅行に行ったことがある。暑いの苦手な私がなぜグアムだったかというと、その彼氏がどっかで10万円の旅行券を当ててきて、10万以内でふたり分行けるとこ、そんでその彼氏がサーフィンできるとこ、といったら安いグアムだったわけだ。
それは私にとって初めての海外旅行であり、それなりに楽しんで帰ってきたわけだが、その後親友アイコから聞いた話。
私はもうずっと飲んでいるお薬があって、それはふつうに病院で処方されるやつだが、グアム旅行に行くときに持っていくのを忘れ、現地で気がついた。まぁ5泊だし、1週間くらい飲み忘れることはよくあったので、たいしたことないっしょくらいにおもっていて、実際なんともなく帰ってきたわけだ。
心配したのは母親だ。旅行用に日数分準備したお薬が、おかってのテーブルに置きっぱなしになっているのを発見し、私に電話するもつながらない。パニクったおかん、アイコに電話。「ナオミがお薬忘れちゃったんだけど、アイコさんナオミと連絡つかないかしら?」このとき母親は彼氏のことはもちろん、私がオトコと二人で旅行に行ったことなぞ知らなかった。知らなかったっていうか、私が言ってなかっただけだが。アイコは彼に会ったことはあったが、“トオル”という下の名前とKというよくある苗字、実家が“コロク”というところにあるということしか知らなかった。そこでアイコ、「コロクのトオル、コロクのトオル」とつぶやきながら電話帳を開き、“コロク”に住むKという苗字の家に片っ端から電話をかけ、「すみませんそちらにトオルというかたはいらっしゃいませんかねぇ」と探しまくってくれたそうだ。しかし“コロク”という地区にはKという苗字が密集している。何ページにもおよぶKを見たアイコは途中で断念、おかんに電話をし、「すみません連絡つかないっす」と伝えたとのこと。
私はそんな騒ぎになってることはつゆ知らず、ふつうにグアムを満喫した。今考えたらかなり迷惑な話だ。そうだ、私はオッチョコなのだ。小学校の通信簿にはいつも「忘れ物が多い」と書かれていた。これからはもっと注意深く生きようとおもう。
しかしこの物忘れの激しさは、もうどうしようもないことのような気もする。体質っていうか。記憶に関する脳のぶぶんが、ひとより弱いんじゃないだろうか。

  • 忘れ物をとりに帰って、何をとりに帰ったのか忘れる
  • ついさっきひとに時間を聞いたばかりなのに、何時だったか忘れる
  • 必要なものを買いに行ったのに別のものを買って帰り、ホントに買うべきだったものを買い忘れる
  • ひとの名前や誕生日をなかなか覚えられない

お酒を飲むとすぐ記憶がとぶのも、たぶんそのせいだ。前にmixiで“お酒を飲んで記憶がとぶひとは、年をとってからボケやすい”というのを読んだ。きっと私はすぐボケるんだろう。だってどうしようもないのだ。
どなたか記憶力を上げる方法をご存知ないっすかねぇ。そんなものないっすかねぇ。