134日目

いやー今日はおもしろかった。今若干酔っぱらいですが。
今日はふつうに学校に行って、クラスメイトの日本人友達ヨシエと一緒に帰ってきたわけだが、あと30秒でうちにつくというところで、しらないおじさんが私に声をかけた。
「それ、チェ・ゲバラでしょ」
それ、といって指差したのは私のジャケットの胸についていたアンガス・ヤングの缶バッジだ。そこで私が「いやこれはAC/DCっていうバンドのギタリストでね・・・」と説明を始めたとたんにそんなもん全く聞く耳持たずで
「それは?それは?そのマーク知ってる!」
と今度はラモーンズのバッジをいじりはじめる。「えー、これはラモーンズっていって・・・」と説明しようと「えー、これはラ」くらいまで言ったところで「ちょっと1杯飲まない?」とすぐそこのバーに誘われたのでオゴってくれんならラッキーと飲むことに。
いろいろ聞いてみると、彼はPupieという名前(ニックネーム)でアルゼンチン出身、オランダにはもう25年も住んでいるそうだ。アルゼンチンに住んでたころは弁護士をしていたと。で今は移民向けの雑誌とかに書いているジャーナリストらしい。しかしPupieは早口でよくしゃべる。しかもえっらい訛った英語だからなに言ってんだかよくわからない。「あ?あ?」としつこいくらい聞き返しながら話をしていると彼の友達がやってきた。その友達はすごくシャイなひとで、なにしてるひとか聞くと画家だそうだ。「画家なんだってよ」とヨシエに話すと彼女は「見えないね、ホームレスかと思った」とか言ったからちょっとウケた。たしかにそんな風情。Pupieとその友達はそのバーのかなりな常連っぽかったのでよく来るのか聞いてみると、なんとそのバーができた最初の客だという。だからかなんだか知らないがオレら全部半額みたいなことを言っていた。おぉ、半額すばらしい。たしかに来る客来る客みんなPupieとあいさつをしていく。
最初はビールを飲んでいた。途中でPupieが「こっちに来てからどれくらいだ」と聞くので「9月に来た」というと「約5ヶ月か、じゃぁセレモニーだ」と5ヶ月で何がめでたいのか知らないがジュネバをたのんでくれた。私はジンが好きだがオランダに来てからビールばっかり飲んでいて、実はジュネバは飲んだことがない。ビールをチェイサーに飲む初めてのジュネバはそれはもうウマくってタイヘン。これからはビールだけじゃなくジュネバのチェックも必要だとおもった。
Pupieは詩も書くそうだ。私のノートに「Naomi,」からはじまる詩を書いてくれたが、スペイン語だかで意味が全然わからない。そして私のラモーンズのバッジを「おみやげに欲しいから売ってくれ」と言い出した。気に入っているバッジだったが別にどこにでも売ってるあのマークのやつだったので、詩のお礼にあげた。するとどうだ。むちゃくちゃ喜んだPupie、トイレに行って帰ってきたとおもったらウェイターがワインとチーズと揚げものセットをはこんできた。もうすでにビールを5杯くらいおごってもらっていたのにだ。
ワインもウマかったが、今回の大発見はチーズの食べかた。これはPupieの食べかたなのかオランダではふつうなのか知らないが、固い系のチーズ(チェダーとかゴーダとか)にマスタードをつけて食べるのだ。ホント、ウマくてびっくり。いいこと教えてもらった。
ふと時計をみるともう6時間も飲んでいた。そりゃ酔うわけだ。