179日目

日本を離れてから初仕事。ボートハウスに住むカップルに和食の作り方を教えるという内容だ。ジャズピアニストとシンガーのカップルで、マクロビオティックを実践している。健康的な和食を食べたいがアムステルダム日本食レストランはばか高く、今までは本をみて作っていたがそれも難しくて、日本の家庭でふだん作っているようなのを教えてほしいとのことで。
第1回目の本日は天ぷらとお味噌汁を作った。ご飯は玄米。天ぷらはエビ、白身魚、さつまいも、しいたけ、にんじん、ピーマン、あとタマネギのかき揚げ。お味噌汁は大根、お豆腐、わかめ。天ぷらは熱いうちがおいしいから、私が揚げるから食べていいよって言ってるのに、全部できあがるまで待っててくれた。ワインと一緒にひさびさに食べた天ぷらはそりゃもうウマくって、超いっぱい食べてしまった。
マクロビオティックとはお肉や乳製品は食べず、動物性タンパク質は魚介類のみ。穀物や野菜中心の、軽めのベジタリアンみたいな食事だ。彼らの場合は少しの鶏肉だけは食べるらしい。健康のためにそういう食生活を送っているわけだが、私がおもうに(これは彼らには言ってないけども)健康に大きな影響を与えているのは材料ではなく塩分や糖分だ。もともと私が薄味なひとだというのもあるとおもうが、こっちの食べ物は全てがしょっぱすぎるか甘すぎる。今回私が心配だったのは、私の味付けでこのひとたち大丈夫かなぁということだったが「お店ではしょっぱいけど家庭ではこれくらいだよ」と説明すると、薄めの天つゆと薄めのお味噌汁をおいしいおいしいといって食べてくれてホッとした。のもつかの間、ご飯に天つゆをじゃーっとかけて食べはじめ、ああそうだよね、オランダの食事に慣れてたらそりゃこれは薄いよね、と笑った。
食べてるあいだ、彼らのCDをかけてくれた。私はジャズはあまり知らないが彼のピアノはすごくかっこよくて、それにそって歌う彼女の声は細くてでも通っててきれいだった。二人ともむちゃくちゃいいひとで、私にすごくいろいろ気を使ってくれたり、ピアノを見せてくれたり、明日の彼らのジャズバーでのライブに招待してくれたり、そして料理をやたらほめてくれたりした。明日はデン・ハーグで美術館めぐり+飲みの予定だから、ライブはそのあとだな。