213日目

今日はすげぇおもしろかった。
友達のコンサートを観に行ったあとNickと自転車で家に帰る途中、おまわりさんにつかまった。夜だったが私はライトを忘れ、無灯火で走っていたためだ。とっさに英語が全然しゃべれないフリをした。もう志村けん状態で「あんだって?」とか言ってみたりして、でも向こうはもちろん理解できないから一生懸命ボディランゲージで「ライトがついてないじゃないか。いいか、ライト。これ、こういうの。オランダでは必須なの。あんた旅行者?ホリデイ?バケーション?パスポートみせろ。ID、あーいでぃーい」みたいなことを言っていて、それがもうすごいおもしろくって、笑いをこらえるのに必死。私は日本語なら何を言ってもバレないのをいいことに「ウンチ出そう」とか「がっぺむかつく」とか言っちゃったりした。いや、真顔でね。
Nickはライトを付けていたが、私が長い時間つかまってるのを見てこっちに戻って来た。おまわりさんがNickに「あんたは日本語しゃべれるのか?彼女に通訳してくれないか」するとNickは「オッケイ」。しかしもちろんNickは日本語がしゃべれない。いや、少しは知っているが、それは私とかが教えた少しのセンテンスとバカワードのみ。おまわりさんが英語で「パスポートを家に取りにいってきなさい。そして罰金は20EUROだ」と言うと、Nickは日本語で私に向かって真顔で「ワターシ、ニホンゴ、チョット、シャベレル」「イマナンジ?」。おまわりさんはもちろん、Nickがちゃんと通訳していると思い込んでいるのだ。もうホント、今にも吹き出しそうだったが必死でこらえた。
その後さらに色々な会話をしたあと、Nickを人質に私は家にひとりでパスポートを取りにいき、また戻ってきた。そしてそれを見せるとおまわりさんは「今日は罰金を払わなくてもいい。パスポートにある住所に請求書を送るから、日本から送金しなさい」と言う。しかし彼が小さな調書みたいなのに書いた私の住所は「Japan」と「Nagano」のみ。パスポートの本籍の欄にはNaganoとしか記載されておらず、でもそれを住所だと思ったらしい。郵便番号を聞かれたので答えたが、それだけで届くわけない。おまわりさんの目をみて日本語で「届くわけがねぇ」と言ってみたが彼は「じゃぁもう帰っていい」と次の無灯火ターゲットを探しにむこうへ行ってしまった。
再び自転車に乗って角を曲がりおまわりさんが見えなくなると、Nickと二人で大爆笑。おまわりさん、おちょくってごみーん。でもおもしろかったよ。そして調書の控え、いいおみやげになったよ。