224日目

naomi_rhcp2006-05-08

今日は超いい場所に行ってきた。友達がバーでギターを演奏するというので行ったそこはバーというより古い家。今のオーナーが何年も前にスクウォットして手に入れた家だそうだ。
ここでちょびっとだけスクウォットの説明をしますと、ある一定期間空き家になった場所に勝手に住み着いちゃって、それでさらに一定期間すぎるともうそこに住む権利が発生するみたいな。いろんな理由があるらしいが聞いたところによると、住宅難のアムステルダム、いい場所には金持ちばかりが住めるようになってしまい、それに対して貧しい人々が国に文句をいい、でも解決できない国側は、そういう法律をつくった、みたいな感じらしい。ところで私のオランダ人の友達のひとりは家を点々としているがいつも家賃は無料。それはスクウォットされるのを防ぐために家の持ち主が「自分が家を空けている間、家賃ただで住んでいいよ、でも自分が戻るときには出てってね」という感じで貸している家が結構あるのだ。アーティストである彼はお金がそんなにないから、そのシステムにのっかって無料で住むことができている。システム、と言ったのは、そういう仕組みもちゃんとふつうにあるからだ(名前忘れちった)。こうしてオランダの人々は支えあって生きている。若いアーティストがたくさんいて、彼らが貧しくとも自分の好きなことをやっていける環境がある。
話を今日行ったバーのことに戻そうじゃないですか兄貴。ちょっとした林のなかにぽっつーんとあるその家の周りにはロッキングチェアーとかバンを改造した寝床とかユルさ全開。家の中は薄暗く、ソファがたくさんあり、でかい犬が何匹もそこらへんにゴロゴロ。来ている人々はワカモノはわりと少なく、たぶん私とつれてってくれた友達がいちばん若かった。平均年齢40くらいか。やさぐれたハスキーボイスの姐さんから白髪の上品なおばあちゃん、長髪のかっこいいおじさんまでいろいろ。演奏する人々はノーギャラだが、だからこそ自分の好きな演奏をしていてすごい楽しそう。こっちも楽しい。全部で5組くらいだったろうか、私の友達はクラシックギター、あるおじさんはブルース、あるバンドはヒットソングメドレーみたいなポップ、あとはフォークとかだったかな。ギター好きで趣味でやってるようなひとや、学生や、そういうひとたちが楽しんで人前で発表している。お客さんは今回は10人弱くらいか、古いぼろいソファにすっぽりハマって酒を飲みながらご飯を食べながら聞く。あ、ノーギャラっていうのはまったくそうではなくて、演奏者だけはそこで出しているディナーとビールが3本までタダになるっていう仕組みだ。ディナーも超ウマくって、スープ・おっきなプレート・デザートってちゃんとなってて、つっても全部で5EURO。手作りの自然食で、ビーフベジタリアン食か選べる。ビールはハイネケンが1缶1.5EURO。
週1度のこのイベントはほとんどボランティアで運営されている。ここホントにいい。大好き。音楽ってこうあるべきなんじゃないだろうかと思ってしまうほど、みんな純粋に演奏を、聞くことを、楽しんでいる。